開発プロセスモデル

ウォーターフォールモデル: 上流工程の失敗は致命的、柔軟性に欠ける。
成長モデル: やり直しきき、柔軟性あり。進捗管理難しい。
◎プロトタイピングモデル: 要求定義時点で試作品作成。
スパイラルモデル: ウォーターフォール+成長。
契約モデル: 各工程を分割。大規模な官公庁向き。
発展的プロトタイピングモデル: 要求定義段階でプロトタイプと評価を繰り返す。
段階的配布モデル: 内部設計以下を繰り返す。
◎発展的配布モデル: フィードバックを受けながら、内部設計以下のバージョンアップを繰り返す。
参考

図解雑学 ソフトウェア開発 (図解雑学シリーズ)

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外部との関係性の最適化

 イノベーションマネジメントにおいて、顧客や市場、パートナーといった、外部との関係性を最適化する必要がある企業は少なくないのではないだろうか。
 例えば、新しい市場の場合、市場調査が役にたたない、潜在的なユーザーに対する利益は評価できない、あるいは、そもそもユーザー自身が市場に気づいていない、気づいてはいるが表現できないといった問題はごく頻繁に起こり得る。このような経験やデータがない新しい市場に対しては、探検的マーケティング(Expeditionary marketing)が有効だと思われる。新しい市場の開拓は、コアビジネスに影響しない、独立採算の小さな組織が行うべきであろう。事業計画も予め失敗を織り込んだものにして、敢えて低い完成度で市場に投入し、市場からフィードバックを受けることで技術の精度を高めていくというスピード感も必要だ。また、デルファイ法など、将来のトレンドを予測するテクニックを通じて、市場に精通した専門家との関係性を確立することも大切である。
 一方でパートナーの存在も重要である。ある企業が一社で、潜在的に関連しそうな全ての技術分野で専門性を維持するのは難しい。新しい市場への参入コストや参入リスクを軽減し、規模の経済を実現する、そしてTime to marketをできるだけ短縮するためには、パートナーとのアライアンスが不可欠だ。ある企業にとっての非コア技術は他の企業にとってのコア技術なのである。但し、アライアンスと一言で言っても、状況や目的に応じて、アウトソーシング、技術ライセンス、研究コンソーシアム、戦略的アライアンス、ジョイントベンチャーイノベーションネットワークなど、さまざまな形式がある。しかし、大切なのは形式や取引コストではなく、その技術に対する企業の姿勢だ。
 企業の姿勢を決めるのは技術の特徴と企業の戦略である。コア技術であれば、自社内で専門的能力を発展させる必要があるだろう。補完的技術として取り入れ、自社技術の梃入れに活かすという可能性もある。移転が難しい暗黙的な技術であれば自社開発せざるを得ないかもしれない。また技術の内容によっては企業の信用度に影響する場合もある。しかし、重要な技術だから自社内で発展させる場合があるとも限らない。戦略的にコントロールする必要性がなければ、外部に委ねるという選択肢もある。内部の技術的能力が低ければ、外部から獲得して時間を買うという考え方も成立する。社内外に拘らず、潜在的に重要な技術を見出したら積極的に内部化するというのもよい。特にマネジメントに確信のある技術の場合、内部開発される可能性が高いというのも事実だ。
 企業としては、外部との関係性を最適化することによって、新しい技術を学習し、市場能力を獲得する機会も得て、一企業では成し得ないイノベーションを実現する可能性が高まるだろう。
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イノベーションマネジメントは本当に必要なのか?

 イノベーションを生み出すプロセスは産業や企業規模によって異なるはずだ。他社の模倣ではなく、自社にとって最適なルーティンを見いだすことが企業にとって大切な課題の一つであると思われる。
 企業は成長しなければならない。なぜなら、成長率が高ければ、株価が上がり、有利な条件で増資や資金調達が可能になるからだ。そして獲得した原資によって優秀な社員の活躍の場が広がるし、ストックオプションを通じて社員に報酬を支払うこともできる。
 企業が成長するためには、新しい市場の開拓が大きな助けになる。なぜなら、新しい市場に早い時期に参入した企業は遅れた企業よりも先駆者として圧倒的な優位を保てることが多いからだ。既存の市場に後から参入して過酷な競争で疲弊するより、新しい市場を開拓した方が低リスクで、リターンが大きい場合もある。コアビジネスが伸びる一方で新しい市場の開拓を繰り返すことによって企業は常に企業規模に見合った成長を期待することができる。
 では新しい市場が開拓される環境が整っているのかというとそうとも思えない。日本は1990年代前半にバブルが崩壊し、2000年には連結会計が開始された。ROAを極大化するため、メーカー、総合商社などを筆頭に、企業規模を問わず、不採算事業の整理が進められた。その後、出血を伴う事業整理の痛みからか、経験やデータのない新しい市場の開拓に必要以上に臆病になった感がある。同じ頃、楽天ライブドアなど、ベンチャーが相次いで上場し、潤沢なキャッシュを獲得して、積極的なM&Aを推し進めた。しかし、間もなくネットバブルが崩壊し、IPOによって原資を獲得するのは以前にも増してハードルが高くなったように思われる。その一方でベンチャー支援税制のメリットもいまだ限定的である。
 また企業規模を問わず、どこの企業を見てもR&D案件は山積みである。既存市場に対応する既存技術(コアビジネス)、新市場に対する既存技術(事業開発)、既存市場に対する新技術(要素技術の先行開発)、新市場に対する新技術(ビジョン)など、性格の違う案件に優先順位をつけて、限られたリソースをその都度、振り分けるのでは限界がある。どうしても目先の顧客と収益を優先し、企業の成長性を占うビジョンが一番後回しになってしまうのはごく自然な話だ。
 このような環境の中で、どうすれば新しい市場の開拓を繰り返すことができるのか。先ずはリソースの配分が重要であろう。コアビジネスで稼いで、一定割合の原資を半ば強制的に成長事業に割り当てる。破壊的なものを発掘し、形成する人材も必要だ。そしてその原資と人材でコアビジネスに影響しない、独立採算の小さい組織を作る。失敗を事前に織り込んだ計画を立案して、失敗を恐れずに積極的に市場に挑む。あえて低い完成度で市場に投入し、フィードバックを受けることで技術の精度を高めていくといったスピード感も必要だ。結果としてコアビジネスとなり得る技術は積極的に取り込む。コアな技術以外は戦略、プロセス、人材、資源の全てにおいてオープン化を検討し、社外のパートナーも巻き込むことによって、R&D投資効率を高めていくことが重要である。
 これまでイノベーションマネジメントは大企業を対象に語られることが多かったように思われるが、これからは、独立か社内かを問わず、体力的に余裕のないベンチャーにとっても事業存続の鍵となるはずだ。
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日本IBMのイノベーションに対する取り組み

Global Technical Outlook(インベンション:発明と技術動向)とGlobal Market Outlookインサイト:洞察と市場動向)が統合されて、Global Innovation Outlookイノベーション)となり、全体戦略の一翼を担っている。
参考
http://enterprise.watch.impress.co.jp/cda/topic/2005/08/01/5849.html
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破壊的成長エンジンにとって重要な四要素

・必要になる前に始める 急成長のプレッシャーは禁物
・上級役員による監督 資源配分、最適なプロセスの選択、既存事業との意思疎通
・始動者と形成者 持続的なものを破壊的なものへ形成
・部隊の訓練 「何を探すべきか」を浸透
参考

イノベーションへの解 利益ある成長に向けて (Harvard business school press)

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