暗黙知と形式知
どのようなプロセスでイノベーションたる知識は創造されるのか?
社員が現場での経験を通じて顧客と育んだ「暗黙知」(言葉や文章で表現できない主観的な知)をどのように商品コンセプトなどの「形式知」(言葉や文章で表現できる明示的で客観的な知)に変換していくかがとても重要なようだ。
暗黙知をいきなり論理的に分析し、対立項を否定し、矛盾を排除したのでは何も創造されない。先ずは暗黙知をメタファー(隠喩)やアナロジー(類推)に置き換え、対立項を頭から否定せずに矛盾を解消していく。弁証法的な発想で限りなく理想を追求する。競合を意識した相対価値ではなく絶対価値を追い求める。そういった知の循環運動を通して革新的なコンセプトは生まれる。
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マネジメントの役割を考える時、物事を論理的に整理する技術はとても重要だ。しかしながら知的創造のプロセスで最初から論理性を求めると、無意識のうちに暗黙知のニュアンスは損なわれ、創造の可能性を秘めた矛盾は削ぎ落とされているのだろう。論理的に進めるべきことと非論理的に進めるべきこと。この使い分けがイノベーション創造を期待するマネジメントには要求されるのだ。
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